冬を選んだ人生❄️
皆様、なかなか更新しないブログですが久々に真冬に昆虫と出会えましたのでその魅力をお話しします✨
しかもかなり不思議な昆虫ですよ( * ॑꒳ ॑*)
この写真の昆虫はご存知でしょうか?
※撮影2022.1.31
これは蛾です。
本来の特徴よりも少し分かりにくい個体ですが、これはウスバフユシャクガと言います♪
凄くにている種でクロテンフユシャクと言う物もいます。
本当はウスバフユシャクは羽の黒点がもっと小さくて薄く、見た目も全体的にもう少し明るい茶色姿も多いです。
見分け方は↓写真の赤線部分が真っ直ぐなものかウスバフユシャクで【く】の字になっているものがクロテンフユシャクです♪
※誤同定だったらすみません💦w
ちなみにこの写真のウスバフユシャクはオスです。
ここからが本題です♪
このウスバフユシャクはチョウ目シャクガ科に属しますがフユシャクとは総称です♪寒くなって来たころから活動するシャクガ科の仲間たちのことを指します。
ほとんどの昆虫たちは外気温が高い時期に活動しますよね?
あれは外気温によって体温を維持する【外温性】という性質だからです。
ほとんどの外温性昆虫は外気温が低くなると動きが鈍くなったり、生命維持が出来なくなったりと活動ができないというよりも生きていけません。
でもこのウスバフユシャクは何故そんな厳しい冬に生きる事を決めて進化したのでしょう🤔
それは冬の低温期は外敵がいないからです!
カマキリやトカゲなどが全く居ない安全な世界✨
それは彼らにとってはとても魅力的な世界でした♪
攻撃するための牙や角、身を守る甲羅もいらない平和な時期に活動をする。それは種を残していく為には究極の決断だったとおもいます(^^)
では他の昆虫は持ち合わせていない【冬に生きていける進化能力】はどうなっているのか?
その不思議の一つは。
●餌を全く食べない事です。その為、口は退化してしまっています。ではなぜ何も食べないのかと言うと、樹液や水分は体内に取り込むと厳冬期に凍結してしまい生きて行けない事が挙げられます。その為、幼虫期に栄養を十分に蓄えてから成虫になります。成虫の寿命は1ヶ月ほどですが、成虫の活動時間は日没なので凍りつく事を避ける事と、少しでも体を軽くして羽ばたく体力を最小限にする為なのです♪
●オスメスの見た目の違い。
写真のウスバフユシャクはオスで一般的な【蛾】の姿ですよね?羽があり飛ぶ事ができます♪ではメスはどんな姿なのでしょうか?
このオスのウスバフユシャクの写真を撮ってからかなり近くを探しましたがメスがなかなか見つかりませんでした。
夜に探すとすぐに見つけられますが、もう太陽が登りすぎています💦
ちなみにこれがメスの写真↓
なんとメスは羽が無いのです!
羽も退化していまいその羽化変化のエネルギーも産卵する為に体内のフェロモンに回しているのでしょう!
お尻からフェロモンを出してオスを呼びます♪
この行為を【コーリング】といいます♪
氷が張っている寒い時期に行う代表的なスポーツはカーリングですね🥌d(^_^o)
↑
どうしても言いたかったのです(;o;)
つるんつるんに滑ってしまう内容だと私もわかっています(。-_-。)
カーリングはモグモグタイムもあるのでウスバフユシャクとは真逆ですね💦
凍りつくような冷ややかな目で読まないでくださると幸いです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
冬にシャクに触るような内容でごめんなさい💦💦
さて話を戻しますw
繁殖行動の前兆は比較的高い場所まで移動する習性があります。
日中は枯れ葉の下や木の割れ目などに隠れていますが、日没から上の方に登って来ます、夕暮れからオスはパタパタとゆっくり飛びます♪
飛びながらメスの所まで行き交尾を真冬に行い、その子孫たちはまた来年の冬に活動していくのです♪
冬に生きる為に羽を捨てたウスバフユシャクのメス。
この様にとても不思議な生態に進化したフユシャク達は今が活動のピークです。
全国的にどこにでもいるフユシャク。
一度、日没前後に注意してみるとパタパタとオスがメスに呼ばれて羽ばたく姿を見つけられるとおもいます♪
■見つけ方のポイント
枯れ葉があり、木が生えている場所で蜘蛛の巣を日中に探してください。
唯一の天敵は蜘蛛です。蜘蛛の巣にフユシャクが引っかかっている場所なら毎晩繁殖行動を見る事ができますよd(^_^o)
冬の世界しか知らない蛾♪
花を知らない蛾♪
暖かな温もりを捨てた蛾♪
春の訪れと共に姿を消す。そんな生き方を選んだウスバフユシャク。
ヒラヒラと厳冬期に舞う花びらのように今夜も咲き誇ることでしょう🌸
彼らの瞳に映る世界は、安全で争う事が少ない薔薇色の世界なのでしょうねd(^_^o)
私も冬食べるアイスを見ると薔薇色に見える事があります。。。でも近くに外敵(子供)の鋭い視線を感じる今日この頃でした♪
おしまい。